落花生の天気対策と畑で見る所
豆類・生育期 4段階・天気の条件 10件
ラッカセイ(落花生)が天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(土壌カルシウム・pH・排水性・地温)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。ラッカセイは子房柄(ペグ)が地中で結実する特異な生理を持ち、莢の肥大・実入りは根圏条件の影響が大きい。露地栽培が中心。施設(トンネル・マルチ・乾燥機等)を使う場面では、外気象は参考値で内部環境・機械操作が支配的になる。
発芽・生育期(根粒確立期)
生育期の気温が適温(目安25〜30℃)を下回る日が続く
- 起きやすいこと
- 生育の停滞が起きやすい条件。ラッカセイは高温性作物で、低温が続くと初期生育・根粒形成の進みが遅れやすい。
- 見に行く所
- 本葉展開・分枝の進み具合、株ごとの生育ムラ、根粒の着生(掘り取りでの確認)。
- 露地と施設
- 露地は外気温に直接左右される。トンネル・マルチ等がある場合は地温確保で緩和余地がある。
- 確かさ
- データにある生育適温(25〜30℃)を目安とした一般的知見。品種(早生・晩生)・地域で差がある。
連続した降雨で圃場の過湿状態が続く(特に排水不良の圃場)
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 過湿による根の伸長不良や根粒の働きの低下が起きやすい条件(気象からは推定)。ラッカセイは排水良好な砂質〜砂壌土を好むとされ、多雨が続く圃場では過湿ストレスが出やすい。
- 見に行く所
- 圃場の停滞水・ぬかるみの有無、株の黄化・生育停滞、排水路の機能。
- 露地と施設
- 露地は降雨・排水の影響を直接受ける。施設栽培はまれだが、ある場合はかん水量で調整可能。
- 確かさ
- データにある(排水良好な砂質土を好む)に基づく一般的推定。実際の排水性・過湿の程度は気象だけでは判断できず、現地確認が必須。
開花期
開花期に乾燥(降水少・無降雨日数が長い)が続く
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 子房柄(ペグ)挿入前後の水分不足が、その後の莢形成・肥大に影響しやすい条件。開花〜莢肥大期は需水期であり、乾燥は稔実低下につながりやすいとされる。
- 見に行く所
- 開花数・結実(ペグ)の状況、土壌表層の乾き具合、株のしおれの有無。
- 露地と施設
- 露地は降水量に依存し、かん水インフラの有無で差が出る。施設栽培はまれだが、あればかん水で補正可能。
- 確かさ
- データにある(開花〜莢肥大は需水、乾燥で稔実低下)に基づく。品種・土壌保水性で程度が異なる。
高温多湿(高温+高湿度・多雨)が続く
高温・猛暑大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 褐斑病・黒渋病(葉のsigatoka系)や白絹病(Sclerotium)が出やすい条件とされる。いずれも高温多湿を好む病害とされる。
- 見に行く所
- 葉の褐色・黒褐色の斑点(褐斑病・黒渋病)、株元付近の白色菌糸や地際の萎凋(白絹病)。
- 露地と施設
- 露地は降雨後に高湿度状態が続きやすい。施設栽培はまれで、あれば換気で軽減余地がある。
- 確かさ
- データにある病害名を基にした一般的な発生条件の推定。発生を確定するものではなく、現地での確認・診断が必要。連作履歴で差がある(連作で白絹病・線虫が増える傾向とされる)。
莢形成(ペグ挿入)・肥大期
莢肥大期に乾燥(降水少・無降雨日数が長い)が続く
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 稔実低下・空莢(実入り不良)が出やすい条件とされる。乾燥は結実域の土壌を硬くし、ペグの挿入や莢の肥大を妨げやすい面もあると考えられる(気象からの推定)。
- 見に行く所
- 莢の入り具合(掘り取りサンプルでの確認)、結実域の土壌の硬さ・乾き、石膏(硫酸カルシウム)施用歴とCa供給状況。
- 露地と施設
- 露地は降水量に依存し、かん水設備の有無が鍵になる。施設栽培はまれ。
- 確かさ
- データにある(開花〜莢肥大は需水、乾燥で稔実低下/Ca不足で空莢)に基づく。莢形成期のカルシウム供給は施肥(石膏)の要素が大きく、気象単独では判断できない。土壌診断・施肥履歴の確認が必要。
降雨と乾燥が繰り返し、土壌水分が急変する
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 結実域の水分ムラにより莢の肥大が不揃いになりやすい条件(気象からの推定)。
- 見に行く所
- 莢の大小のばらつき、株ごとの生育差。
- 露地と施設
- 露地は降雨変動の影響を直接受ける。施設栽培はかん水管理で水分を平準化しやすい。
- 確かさ
- 気象からの推定に留まる。莢の肥大は根圏カルシウム・排水性など現地要因の影響が大きい。
高温多湿(気温高め・降雨多め)が続く
高温・猛暑大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 白絹病(Sclerotium)等、土壌に関わる病害が出やすい環境条件とされる。コガネムシ幼虫による莢の食害は土壌中で起こるため、気象からは間接的な推定に留まる。
- 見に行く所
- 莢・地際の白色菌糸(白絹病)、掘り取り時の莢の食害痕(コガネムシ幼虫)。
- 露地と施設
- 露地は降雨で土壌表層が高湿度になりやすい。施設栽培はまれ。
- 確かさ
- データにある病害名を基にした一般的な発生条件の推定。土壌害虫(コガネムシ・線虫)の発生は気象からの判断が難しく、圃場診断・輪作履歴(連作で白絹病・線虫が増える傾向)の確認が必要。
収穫・乾燥期
収穫期(掘り取り前後)に降雨が続く、または降雨確率が高い状態が続く
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 掘り取り・乾燥(地干し)の遅延につながりやすい条件。収穫前は乾燥ぎみの管理が望ましいとされ、掘り取り後の乾燥が遅れると子実水分が下がりにくく、アフラトキシン(かび毒)産生リスクが高まりやすい条件とされる。
- 見に行く所
- 掘り取り適期の判断、地干し中の莢の乾き具合、降雨に当たった莢の変色・かびの有無。
- 露地と施設
- 露地は天候に直接左右される。乾燥機等の施設がある場合は人工乾燥で天候依存を減らせる。
- 確かさ
- データにある(乾燥不足・高温多湿の貯蔵でAspergillus flavusが増殖しアフラトキシンを産生)に基づく。アフラトキシンの実際の産生有無は貯蔵条件・被害莢の有無等、現地確認・分析が必須で、気象は乾燥の遅れやすさを示す間接情報に留まる。
地干し(乾燥)中に高湿度・日照不足が続く
乾燥・少雨高湿度・結露日照不足
- 起きやすいこと
- 子実水分の低下が遅れ、かびの発生リスクが高まりやすい条件とされる。
- 見に行く所
- 莢・子実の乾燥の進み具合、かび臭・変色莢の有無。
- 露地と施設
- 露地での地干しは天候依存が大きい。乾燥機等の施設があれば強制乾燥で気象の影響を抑えられる。
- 確かさ
- データにある一般的な条件。アフラトキシン産生の有無は成分分析等の確認が必要で、気象のみでは判定できない。
収穫期に無降雨・晴天が続く
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 掘り取り・乾燥に適した条件になりやすい(プラス方向)。乾燥が順調に進みやすい。
- 見に行く所
- 莢の乾燥進度、掘り取り適期(莢の網目模様・充実度)の確認。
- 露地と施設
- 露地ではこの条件が乾燥に最も有利。施設は天候に左右されにくく、この条件への依存度は低い。
- 確かさ
- 一般的知見。
天気が重なると起きやすいこと
開花〜莢肥大期の乾燥とカルシウム供給不足の重なり
空莢・実入り不良が出やすい条件が重なる。石膏施用歴・土壌カルシウム・排水性を現地で確認。
生育期〜莢肥大期の高温多湿の継続
褐斑病・黒渋病・白絹病等、複数の病害が同時に出やすい条件が重なる。連作履歴・排水性とあわせて現地確認。
収穫期の連続降雨
掘り取り・乾燥の遅延と、アフラトキシンリスクの上昇が同時に起こりやすい、このデータの中で最も警戒すべき組み合わせ。速やかな乾燥・被害莢除去の要否を現地で確認。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、病害・障害・アフラトキシン産生の有無を確定しない。ラッカセイは莢が地中で肥大するため、根圏(土壌カルシウム・排水性・地温)の影響が大きく、気象情報だけでは判断できない部分が多い。数値は品種・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
自分の畑の落花生を、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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天気から探す
このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。