大豆の天気対策と畑で見る所
豆類・生育期 5段階・天気の条件 7件・病害虫 7件
ダイズ(大豆)が天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。ダイズは根粒菌による窒素固定に依存する作物のため、土壌pH・根粒着生状況・根圏ECは気象からは推定に留まり、現地確認が必要。露地栽培が基本で、トンネル等の簡易施設を用いる場合も内部環境が支配的であり外気象は参考値。
播種・発芽期
気温が生育適温(20〜30℃)を大きく下回る低温が続く
低温
- 起きやすいこと
- 発芽・出芽の遅れ、初期生育の停滞が出やすい条件。
- 見に行く所
- 出芽の揃い、幼苗の生育速度、地表面の湿り・地温の目安。
- 露地と施設
- ダイズは露地栽培が基本。トンネル等を用いる場合は内部気温が支配的で外気象は参考値。
- 確かさ
- データにある生育適温(20〜30℃)を踏まえた一般的知見。品種・地域(作型)で播種適期・耐性は異なる。
播種後に連続降雨・降水量が多い日が続く
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 排水不良の圃場で過湿による発芽不良・苗立ち枯れが出やすい条件(データ:排水良好必須)。
- 見に行く所
- 圃場の停滞水の有無、種子・幼苗の腐敗、うね間の水はけ。
- 露地と施設
- 露地は降雨の影響を直接受ける。明渠・暗渠等の排水対策の有無で差が出る。
- 確かさ
- データ由来(排水条件の重要性)。気象のみでは発生を確定しない。
開花期
日最高気温が生育適温の上限(目安30℃超)を超え、かつ乾燥(連続無降雨)が続く
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 落花・落莢が増加しやすい条件(データ:高温乾燥期は落花・落莢増加)。
- 見に行く所
- 開花数に対する着莢数、莢の脱落の有無、株元土壌の乾き具合。
- 露地と施設
- 露地は気象の影響を直接受ける。かん水設備があれば乾燥の緩和余地がある。
- 確かさ
- データ由来。品種の耐暑性・地域差で程度は異なる。ダイズは短日植物で日長感応性を持つが、日長そのものは気象データの対象外であり、気象からは推定に留まる。
開花〜結莢期
連続無降雨日数が続き土壌が乾く状態が開花〜結莢期に重なる
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 着莢不良・莢の肥大不足につながりやすい条件(データ:開花〜結莢期は乾燥厳禁と明記)。
- 見に行く所
- 莢の肥大速度、葉のしおれとその回復状況、土壌の乾き具合。
- 露地と施設
- 露地は降雨依存が大きい。かん水の有無・タイミングで差が大きい。
- 確かさ
- データ由来の明確な知見(乾燥厳禁)。乾燥の強度・継続日数の具体的な数値閾値はデータに記載がなく、定性表現に留める。
多雨・排水不良で土壌が過湿な状態が続く
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 根腐れ・根粒菌の活性低下(根粒減少)が出やすい条件(データ:過湿=根腐れ・根粒減少)。
- 見に行く所
- 根の褐変・腐敗(現地での掘り取り確認)、株の萎凋・生育停滞、圃場の停滞水。
- 露地と施設
- 露地は降雨・排水条件に直接左右される。明渠・排水路の有無を確認。
- 確かさ
- データ由来。根粒の着生状況そのものは気象からは推定できず、現地確認が必須。
高湿度・多湿の状態が結莢期〜子実肥大期にかけて続く
高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 気象だけでカメムシ類・アブラムシの発生を確定はできないが、この時期はデータ上も重点管理期にあたる(データ:結莢期〜子実肥大期はカメムシ類が最重要、アブラムシはウイルス媒介)。多湿で繁茂した草勢は害虫の潜伏環境になりやすい。
- 見に行く所
- 莢・子実の吸汁痕、カメムシ・アブラムシの発生状況、葉の食害・変色。
- 露地と施設
- 露地は害虫の飛来・発生に直接影響を受ける。
- 確かさ
- データ由来(重点時期の指定)。気象データから害虫の発生自体を確定することはできず、あくまで注意喚起に留まる。防除に触れる場合は登録内容を確認のうえ判断すること。
子実肥大期
高温・乾燥が持続する
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 子実肥大不足・粒の充実不足につながりやすい条件。
- 見に行く所
- 莢を開いた際の粒の大きさ・充実度、葉色の推移。
- 露地と施設
- 露地は気象依存。かん水設備の有無で緩和余地がある。
- 確かさ
- データの水管理知見(開花〜結莢期の乾燥厳禁)を子実肥大期にも一般的に敷衍した知見。数値の明記はなく、品種・地域差で要補正。
収穫期
天気が重なると起きやすいこと
高温+乾燥(開花期〜結莢期)
落花・落莢と着莢不良が重なりやすい、生育を通じて最も警戒すべき時期。データでも「開花〜結莢期は乾燥厳禁」と明記されている。かん水の要否を現地で確認。
多雨・過湿(同時期)
根腐れ・根粒菌の活性低下が重なり、窒素供給不足につながりやすい。排水対策の有無を確認。
高湿・繁茂+結莢期〜子実肥大期
カメムシ類(最重要)・アブラムシの重点管理時期と重なりやすく、莢・子実への被害リスクに注意。防除は登録内容を確認のうえ判断すること。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、生育障害・病害虫の発生を確定しない。ダイズは根粒菌による窒素固定に依存するため、土壌pH・根粒着生状況・根圏ECは気象からは推定に留まり、現地確認が必須。数値は品種・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
大豆の病害虫が出やすい条件
天気の数字は「この範囲で出やすい」という目安です。条件がそろったら、下の「見る所」を畑で確かめてください。
紫斑病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 7〜10月
- 生育の段階
- 開花期・子実肥大期・収穫期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 子実に紫色の斑紋が出やすい。開花以降の多湿や収穫遅れ時は莢と子実を見る
- 見る所
- 子実の紫斑・莢の変色・多湿・収穫遅れ
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針・農研機構
べと病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・開花期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 葉に淡黄色の斑点が出て葉裏にかびが出やすい。多湿時は下葉から確認する
- 見る所
- 葉裏のかび・黄斑・朝露・下葉
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
葉焼病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 7〜9月
- 生育の段階
- 生育期・子実肥大期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 葉に褐色の斑点や葉脈沿いの変色が出やすい。雨風後は傷のある葉を確認する
- 見る所
- 葉の褐色斑・葉脈沿い変色・雨はね・風傷
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
茎疫病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 発芽期・生育期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 株元が褐変し立枯れや萎れが出やすい。過湿圃場では株元と排水を見る
- 見る所
- 株元の褐変・立枯れ・停滞水・排水不良
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 農研機構・各県病害虫防除指針
カメムシ類 害虫
- 出やすい条件
- 雨との関係は薄い
- 時期の目安
- 7〜10月
- 生育の段階
- 開花期・結莢期・子実肥大期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 莢や子実の吸汁被害が出やすい時期。圃場周辺と莢を確認する
- 見る所
- 莢の吸汁痕・虫体・周辺雑草・発生予察情報
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除所発生予察情報
アブラムシ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜9月
- 生育の段階
- 生育期・開花期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 新葉や茎頂に群生し葉の縮れが出やすい。乾燥時はウイルス様症状も見る
- 見る所
- 虫体の群生・葉の縮れ・すす状汚れ・モザイク症状
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
ハスモンヨトウ 害虫
- 出やすい条件
- 雨との関係は薄い
- 時期の目安
- 7〜10月
- 生育の段階
- 生育期・子実肥大期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 葉に集団食害や大きな食害孔が出やすい。若齢幼虫の集団を葉裏で確認する
- 見る所
- 葉の食害・葉裏の幼虫・卵塊・糞
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針・農研機構
自分の畑の大豆を、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。