柿の天気対策と畑で見る所
果樹・茶・生育期 6段階・天気の条件 11件
カキ(柿)が天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(土壌水分・pH・EC)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。カキは露地栽培が主体で、雨よけ等の施設がある場合は外気象は参考値にとどまり内部環境(換気・かん水)が支配的。収穫後の脱渋(CTSD等)は人工環境下の工程であり気象要因ではない。
休眠期・萌芽期
冬季の最低気温が著しく低い状態が続く(目安-15℃前後)
- 起きやすいこと
- 主幹・主枝など樹体の凍害が出やすい条件。カキは温暖性の樹種で、品種によっては低温耐性が弱く樹体障害が起こる恐れがある。
- 見に行く所
- 主幹・主枝の変色や樹皮の凍傷跡の有無、萌芽期の芽の展開遅れ・不揃い。
- 露地と施設
- 露地は寒風・放射冷却の影響を直接受ける。防寒資材(幹巻き等)の有無で差が出る。カキで加温施設を用いる例は少なく、基本は露地扱い。
- 確かさ
- 一般的知見(データ由来)。品種・地域による耐寒性差が大きく、数値は目安。
萌芽期に強い寒風が続く
強風・台風
- 起きやすいこと
- 新梢の生育遅延や芽の傷みにつながりやすい条件。
- 見に行く所
- 新梢の展開状況、若葉の傷み・変色。
- 露地と施設
- 露地は防風設備の有無で差が出る。施設は基本的に該当なし。
- 確かさ
- 一般的知見。品種・樹齢による差あり。
開花期(受粉・単為結果)
開花期に低温・降雨が続く
低温大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 訪花昆虫の活動低下や花粉の稔性低下により受粉が不安定になりやすい条件。ただし平核無等の単為結果性品種は受粉樹がなくても結実するため影響は品種で異なる。
- 見に行く所
- 開花した花の結実状況、落花の多寡、品種の受粉様式(単為結果性か否か)。
- 露地と施設
- 露地は天候の影響を直接受ける。カキで施設栽培を行う場合は内部環境の管理余地がある。
- 確かさ
- 一般的知見。気象からは受粉不良の「出やすさ」の推定にとどまり、着果確定は現地確認が必要。品種差が大きい。
幼果期・生理落果期(ヘタすき)
日照不足が続く(梅雨期・曇天が続く6〜9月)
大雨・長雨日照不足
- 起きやすいこと
- 生理的落果(ヘタすき)が出やすい条件(AGRIX:着果過多・日照不足・樹勢不安定・ホルモンバランスが要因)。光合成低下による樹勢の不安定化が落果を助長しやすい。
- 見に行く所
- ヘタ部分から落下している幼果の有無、落下果のヘタ・果柄の状態、着果数の推移、着果過多(葉果比)の有無。
- 露地と施設
- 露地は天候依存。雨よけ等の施設がある場合は光環境・湿度の管理余地がある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見に基づく。落果はホルモンバランス等の複合要因で決まり、気象は誘発条件の一つに留まる。
高温・乾燥に強風が重なる
高温・猛暑乾燥・少雨強風・台風
- 起きやすいこと
- 水分ストレスによる樹勢の乱れが落果を助長する可能性がある条件。
- 見に行く所
- 日中の葉のしおれ、株元の土壌の乾き具合、落果の増減。
- 露地と施設
- 露地は風・乾燥の影響を直接受ける。施設はかん水管理で緩和余地あり。
- 確かさ
- 一般的知見。気象からは推定にとどまり、根圏水分は現地確認が必要。
果実肥大期
無降雨が続いたあとに強い降雨がある(乾湿変動)
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 裂果・果実の軟化が出やすい条件(AGRIX:成熟期の乾湿変動で裂果・軟化)。カルシウム供給が不足傾向のときは助長されやすい。
- 見に行く所
- 果実表面の裂け目、果実の軟化・へこみ、株元土壌の乾湿ムラ。根圏水分・EC・Caは現地確認が必要。
- 露地と施設
- 露地は降雨の影響を直接受ける。雨よけ施設は裂果リスクを抑えやすいが、かん水過多による同様のリスクに注意。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。裂果は品種差が大きく(渋ガキ系で目立ちやすい傾向)、気象は誘発条件。
強日射と高温が続く
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 日焼け果(果面の白化・褐変)が出やすい条件。
- 見に行く所
- 直射が当たる面の白化・褐変・陥没、露出果の多さ(摘葉過多や着果位置の偏り)。
- 露地と施設
- 施設は遮光資材で調整可能。露地は摘葉のしすぎによる果実露出に注意。
- 確かさ
- 一般的知見。
着色・成熟期
降雨が多く多湿な状態が続く(梅雨〜夏季、葉の濡れ時間が長い)
大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 炭疽病・落葉病(円星落葉病・角斑落葉病)が出やすい条件(AGRIX:早期落葉で糖度低下につながる)。
- 見に行く所
- 葉の円形・角形の斑点、早期落葉の有無、果実・枝の炭疽病斑。
- 露地と施設
- 露地は降雨・葉の濡れ時間の影響を直接受ける。雨よけ施設は葉面の濡れ時間を減らせるため軽減余地がある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。発生を確定するものではなく「出やすい条件」を示すに留まる。防除に触れる場合は登録内容を確認のうえ判断。
高湿度が続く(曇天・降雨が続き葉面が濡れやすい)
大雨・長雨高湿度・結露日照不足
- 起きやすいこと
- うどんこ病・灰色かび病が出やすい条件。
- 見に行く所
- 葉表面の白い粉状のカビ、果実・花がら部の灰色のカビ。
- 露地と施設
- 施設は換気で軽減余地あり。露地は風通し・下枝整理で軽減。
- 確かさ
- 一般的知見。発生を確定しない。
秋の日較差が大きく夜温が下がる(低温継続)
低温
- 起きやすいこと
- 着色が進みやすい一般的な果樹の傾向がある一方、高温が続くと着色遅延・軟化が早まる可能性がある。
- 見に行く所
- 果皮の色づき具合、硬度、収穫適期の見極め。
- 露地と施設
- 露地は外気温の影響を直接受ける。
- 確かさ
- 一般的知見。品種・地域差が大きく、数値化された基準はデータになし。
収穫期・脱渋期
収穫時期に強い低温・早い初霜が予想される
霜・凍害低温
- 起きやすいこと
- 果実の凍害・品質低下のおそれがある条件。特に渋ガキ系は脱渋前の収穫適期を前倒しする判断が必要になる場合がある。
- 見に行く所
- 果実表面の異常(軟化・変色)、収穫適期(着色・硬度)の見極め。
- 露地と施設
- 露地は初霜・低温の影響を直接受ける。カキの収穫は基本的に露地判断。
- 確かさ
- 一般的知見。渋抜き(CTSD・アルコール脱渋等)は収穫後に人工環境(高CO2・定温等)で行う工程であり、気象要因には含まれない。
天気が重なると起きやすいこと
着果過多+日照不足+高温乾燥
ヘタすき(生理落果)のリスクが重なりやすい局面。着果数(葉果比)と樹勢を現地で確認。
連続降雨→急な乾湿変動+多湿の継続
裂果と、炭疽病・落葉病(円星落葉病・角斑落葉病)が同時に出やすい局面。排水と葉の濡れ時間の確認が必要。
開花期の低温・降雨+幼果期の日照不足
着果不安定と生理落果が連鎖しやすい局面。品種の受粉様式(単為結果性か否か)とあわせて現地確認。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、病害・生理障害・落果の発生を確定しない。カキは露地栽培が主体で、雨よけ等の施設がある場合は内部環境が支配的、外気象は参考値。渋抜き(CTSD等)や貯蔵は収穫後の人工環境管理であり気象要因の対象外。数値・傾向は品種(完全甘・不完全甘・渋)・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
自分の畑の柿を、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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天気から探す
このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。