キュウリの天気対策と畑で見る所
果菜類・生育期 4段階・天気の条件 12件・病害虫 7件
キュウリが天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(地温・土壌水分・EC)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。施設栽培では外気象は参考値で、内部環境(換気・加温・かん水・CO2)が支配的。
定植・活着期
日最低気温が12℃を下回る日が続く
低温
- 起きやすいこと
- キュウリは生育停滞の目安が12℃以下とされ、活着遅れ・生育停滞につながりやすい条件。地温15℃未満では根活性が急低下するとされるため、気温低下が続くと地温低下も伴いやすく活着不良の一因になりうる。
- 見に行く所
- 新葉の展開が止まっていないか、可能であれば地温の実測、株元の土の冷え、萎凋の有無。
- 露地と施設
- 露地は外気温を直接受け、早植え・遅霜期はリスクが高い。施設は加温の有無・保温資材の使用状況で差が出る。
- 確かさ
- データにある生育停滞閾値(12℃以下)に基づく。地温との関係は気象からは推定に留まり、地温そのものは現地測定が必要。
強風が続く/日最高気温が高く乾燥が続く(活着前)
高温・猛暑乾燥・少雨強風・台風
- 起きやすいこと
- キュウリは浅根性で横方向へ30〜40cm程度展開する根の張り方をするため、活着前は水を吸いにくく、強風・乾燥が重なるとしおれ・活着不良になりやすい条件。
- 見に行く所
- 日中のしおれが夕方までに回復するか、株元の土壌の乾き具合、風による葉の傷み。
- 露地と施設
- 露地は風・乾燥の影響を直接受ける。施設は換気過多による乾燥に注意。
- 確かさ
- データの根圏特性(浅根性・乾燥に弱い)に基づく一般的知見。品種・かん水管理で差がある。
開花期(着花・受粉)
開花期に日最低気温の低い日が続く
- 起きやすいこと
- 低温での受粉不良により石果(変形・硬化した果実)が出やすい条件。
- 見に行く所
- 果実の変形・異常な硬化、着果した花房の受粉状況。
- 露地と施設
- 露地は寒の戻りに注意。施設は保温・加温で軽減できる余地がある。
- 確かさ
- データ由来(石果=低温受粉不良)。訪花昆虫の活動や品種にも依存し、気象単独で発生を確定しない。
日最高気温が高い日が続く(目安35℃以上、高温障害域)
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 生育停滞・草勢低下や、着果不良につながりやすい条件。
- 見に行く所
- 生育点の伸長停滞、葉の萎れ・巻き、着果数の推移。
- 露地と施設
- 施設は換気・遮熱で緩和余地が大きい。露地は外気温に直接左右される。
- 確かさ
- データにある高温障害閾値(35℃以上)に基づく。
日射不足が続く(曇天・梅雨)
大雨・長雨日照不足
- 起きやすいこと
- 日積算光量の目安(18〜25 mol/m2/day)に届かず光合成が不足し、着果不良・草勢低下につながりやすい条件。
- 見に行く所
- 花房の充実、葉色の薄まり、着果数。
- 露地と施設
- 施設は補光設備があれば緩和可能。露地は天候依存。
- 確かさ
- データにある光量目安に基づく一般的知見。
着果・肥大期
無降雨が続き乾燥したあとにまとまった降雨・かん水で土壌水分が急変する
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 裂果(急潅水で裂果しやすい)、また過乾燥局面では曲がり果・尻細りが出やすい条件。
- 見に行く所
- 果実表面の裂け、果形の曲がり、尻部の細り、株元の土壌の乾湿変化。
- 露地と施設
- 施設はかん水を安定化しやすく急変を抑えやすい。露地は降雨に左右されやすく、マルチ・排水で緩和。
- 確かさ
- データ由来(過乾燥=曲がり果・尻細り/急潅水=裂果)。
高温・乾燥で飽差(VPD)が高い状態が続く(目安1.5kPa以上)
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 気孔閉鎖・生育停滞が起きやすい条件。
- 見に行く所
- 日中の葉のしおれ・巻き、生育点の伸びの鈍化。
- 露地と施設
- 施設はかん水・換気でVPDを管理しやすい(目安0.6〜1.2kPa)。露地は外気条件に依存。
- 確かさ
- データにあるVPD閾値(1.5kPa以上)に基づく。
曇天・多湿で飽差が低い状態が続く(目安0.4kPa未満)/夜間の高湿度が続く
高湿度・結露日照不足
- 起きやすいこと
- 蒸散停滞によりカルシウムの転流が低下しやすい条件(生育点・幼果の奇形につながりうる)。あわせて高湿度の持続は、べと病や落花弁からの灰色かび、28℃前後の多湿条件下での褐斑病が出やすい条件になる。
- 見に行く所
- 生育点・幼葉の奇形、葉裏や落花弁付近の病斑・カビ、朝方の葉の濡れ具合。
- 露地と施設
- 施設は換気・除湿・VPD管理で回避余地が大きい。露地は連続降雨・朝露で高湿になりやすく、下葉整理・通風で軽減。
- 確かさ
- VPDはデータ由来、病害は一般的知見+データ由来。発生を確定するものではなく「出やすい条件」に留まる。
低温・多湿が続く(早春・晩秋の降雨)
低温大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 黒星病が出やすい条件。
- 見に行く所
- 果実・葉の黒褐色の小斑点や陥没。
- 露地と施設
- 施設は加温・換気で回避余地がある。露地は寒冷期の連続降雨に注意。
- 確かさ
- データ由来(黒星病=低温多湿)。
高温・低湿の乾燥が続く
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- うどんこ病は乾燥期でも発生するとされ、あわせてハダニも乾燥期に多発しやすい条件。
- 見に行く所
- 葉表の白い粉状のカビ、葉裏の微小な虫や葉のかすれたような退色。
- 露地と施設
- 施設は乾燥しやすいため注意。露地は降雨があると自然に軽減される場合がある。
- 確かさ
- データ由来。病害虫の発生は気象のみで確定せず、現地確認が必要。
収穫期
高温・乾燥が続く
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 水分不足を背景とした曲がり果・尻細りが出やすい条件。収穫適期に達するまでの日数は夏場で目安6〜8日、春秋で目安8〜10日とされ、高温期は果実の肥大・老化が早く進みやすい。
- 見に行く所
- 果形の乱れ(曲がり・尻細り)、収穫サイズ(目安18〜22cm)に達する早さ、株のかん水状況。
- 露地と施設
- 施設はかん水管理で緩和しやすい。露地は乾燥時のかん水確保が要点。
- 確かさ
- データ由来の生理障害知見+一般的知見(収穫日数目安)。作型・品種で補正が必要。
高湿度・連続降雨が続く
大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- べと病や、落花弁からの灰色かびなど収穫期の病害が出やすい条件。果実の傷み・日持ち低下につながりやすい。
- 見に行く所
- 葉の病斑の広がり、収穫果の傷み・日持ち、圃場の停滞水。
- 露地と施設
- 施設は換気・除湿で軽減できる。露地は降雨後の排水・株元の通風を確認。
- 確かさ
- 一般的知見+データ由来(べと病=高湿期多発、灰色かび=落花弁感染)。
天気が重なると起きやすいこと
乾燥からの急な降雨・かん水
裂果と、曲がり果・尻細りが同時に出やすい局面。かん水の均一化・少量多回数化と、排水状況の確認が判断材料になる。
高温+低VPD(多湿)
蒸散停滞によるカルシウム転流低下と、べと病・褐斑病・灰色かびなど病害の発病条件が重なりやすい。換気・除湿・VPD管理(目安0.6〜1.2kPa)の要否を現地で確認。
低温+多湿
黒星病と、開花期であれば石果(低温受粉不良)が重なりやすい局面。早春・晩秋の降雨期に警戒し、保温・加温の要否を確認。
高温・乾燥の継続
ハダニの多発条件と、うどんこ病が同時に出やすい。生育停滞(35℃以上の高温障害)との重なりにも注意。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、病害・生理障害の発生を確定しない。根圏(地温・土壌水分・EC)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。施設では内部環境(換気・加温・かん水・CO2施用)が支配的で、外気象は参考値。数値は品種・地域・作型(促成・半促成・露地・抑制)で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
キュウリの病害虫が出やすい条件
天気の数字は「この範囲で出やすい」という目安です。条件がそろったら、下の「見る所」を畑で確かめてください。
べと病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉に角ばった黄斑が出て葉裏にかび状の病斑が出やすい。曇雨天後は下葉から確認する
- 見る所
- 葉裏のかび・角ばった黄斑・朝露・株間の湿り
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
褐斑病 病気
- 出やすい条件
- 気温 26〜30℃/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉に褐色の斑点が増えやすい。高温多湿で葉が濡れやすい時は病斑の拡大を見る
- 見る所
- 葉の褐斑・下葉の病斑・葉の濡れ・風通し
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
灰色かび病 病気
- 出やすい条件
- 気温 15〜25℃/湿度 90%以上/葉が濡れている時間 5時間以上/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 3〜6月・10〜11月
- 生育の段階
- 開花期・収穫期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 落花弁や果実先端付近から灰色のかびが出やすい。花がらが残る場所を重点確認する
- 見る所
- 落花弁・果実先端・朝の結露・換気
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
黒星病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 3〜5月・10〜11月
- 生育の段階
- 育苗期・生育期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 低温多湿時に葉や果実に暗色のへこみ病斑が出やすい。幼果と新葉を確認する
- 見る所
- 幼果の病斑・新葉の斑点・結露・低温多湿
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
うどんこ病 病気
- 出やすい条件
- 気温 18〜25℃/乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉表に白い粉状病斑が出やすい。乾燥ぎみで古葉が多い株を確認する
- 見る所
- 白い粉状斑・古葉・株の混み具合・乾燥
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
ハダニ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏に微小な虫が付き葉がかすれたように退色しやすい。乾燥が続く時は発生点を早めに見る
- 見る所
- 葉裏の虫体・葉のかすれ・糸・下葉
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
アザミウマ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 開花期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 花や新葉に小さな虫が付き果実に傷や奇形が出やすい。花の中を確認する
- 見る所
- 花内の虫体・果実表面の傷・新葉の変形・防虫ネット
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
自分の畑のキュウリを、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。