スイカの天気対策と畑で見る所
果菜類・生育期 5段階・天気の条件 9件・病害虫 7件
スイカが天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(土壌水分・排水・EC)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。接ぎ木の可否(つる割病対策)や施肥設計は気象以外の要因が大きく、気象は補助情報として扱う。施設栽培(トンネル・ハウス)では外気象は参考値で、内部環境(換気・かん水)が支配的。
定植・活着期
定植後に気温が生育適温帯(昼25〜30℃・夜18〜20℃)を大きく下回る低温が続く
低温
- 起きやすいこと
- 活着遅れ・生育停滞につながりやすい条件。スイカは高温・強光を要求する作物で低温には弱い。
- 見に行く所
- 新葉の展開が止まっていないか、葉色が淡くなっていないか、活着の遅れの有無。
- 露地と施設
- 露地は外気温の影響を直接受ける。トンネル・べたがけの有無で差が出る。施設は加温・保温資材の有無を確認。
- 確かさ
- データにある生育適温(昼25〜30℃/夜18〜20℃)を基準にした一般的知見。品種・台木(低温耐性の高い台木の有無)で差がある。
定植直後に気温が高く土壌が乾く一方で、強風が続く
乾燥・少雨強風・台風
- 起きやすいこと
- 活着前の苗が水ストレスを受け、しおれ・活着不良になりやすい条件。
- 見に行く所
- 日中のしおれが夕方までに回復するか、株元の土壌の乾き具合。
- 露地と施設
- 露地は風の影響を直接受ける。施設は換気過多による乾燥に注意。
- 確かさ
- 一般的知見。根量・かん水管理、接ぎ木苗かどうかに依存。
着果前・草勢管理期(つるぼけ注意)
曇天・降雨が続き日照不足の状態が続く
大雨・長雨日照不足
- 起きやすいこと
- 草勢が徒長方向に傾きやすく、施肥設計(窒素)と重なると「つるぼけ」(草勢過多で雌花不良・着果不良になる状態)が助長されやすい条件(AGRIX:着果前のN過多がつるぼけ・雌花不良の主因、日照不足は相対的な草勢過多を助長する側面)。
- 見に行く所
- つるの伸長スピード、葉色の濃さ、雌花の着き方・着果の有無。
- 露地と施設
- 施設は換気・遮光管理で光環境を調整できる余地がある。露地は天候依存で、整枝・摘心での対応が中心。
- 確かさ
- つるぼけの主因(N過多)はAGRIX AI の知見。日照不足との関係は気象からの推定であり、確定要因ではない。現地の草勢確認が必須。
開花・受粉期
開花期に低温が続く、または降雨・強風で訪花昆虫の活動が鈍る
低温大雨・長雨強風・台風
- 起きやすいこと
- 受粉不良・着果不良につながりやすい条件(AGRIX:低温・訪花不足時は人工受粉が必要)。
- 見に行く所
- 雌花の開花状況と着果の有無、訪花昆虫(ミツバチ等)の活動、人工受粉の要否。
- 露地と施設
- 施設(トンネル・ハウス)は訪花昆虫が入りにくく、低温・強風時は人工受粉への切り替えをより早めに検討する必要がある。露地は天候による訪花活動の変動を直接受ける。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(低温・訪花不足→人工受粉)。品種(種なし三倍体は受粉樹・人工受粉の管理がより重要)で対応の必要度が異なる。
肥大期
着果後、高温・乾燥が続き土壌水分が不足する
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 肥大不良・糖度への影響につながりやすい条件(AGRIX:着果〜肥大期は需水期であり、この時期の水分不足は肥大を制限する)。
- 見に行く所
- 果実の肥大速度、株のしおれの有無、株元土壌の乾き具合。
- 露地と施設
- 施設・マルチ栽培はかん水を管理しやすい。露地・無マルチは降雨依存で水分変動が大きい。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見に基づく一般的な考え方。品種・作型・土壌条件で必要水分量は異なる。
乾燥が続いたあとに強い降雨があり、土壌水分が急変する(急激乾湿)。特に肥大後期の多雨。
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 裂果・空洞果が出やすい条件(AGRIX:急乾湿・肥大後期の多雨は裂果・空洞果の主因)。
- 見に行く所
- 果実表面の裂け・ひび、収穫時の空洞の有無、圃場の停滞水・排水状態。
- 露地と施設
- 露地は降雨の影響を直接受け、排水・マルチの有無で差が出る。施設は屋根で遮られるが、かん水管理を誤ると同様のリスクがある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。気象は誘発条件を示すもので、実際の裂果発生は排水状態・品種の裂果耐性にもよる。
強日射・高温が続き、果実表面温度が上がりやすい状態が続く
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 日焼け果(果面の変色・品質低下)が出やすい条件。
- 見に行く所
- 直射が当たる面の変色・陥没、つる葉による果実の被陰状況。
- 露地と施設
- 施設は遮光資材で調整余地がある。露地は敷きわら・葉による果実の被陰状況を確認。
- 確かさ
- 一般的知見(ウリ科全般で知られる日焼け果のリスク)。品種の果皮の厚さ・色で感受性が異なる。
収穫前・収穫期
収穫前の期間に降雨が続き、水分を絞りきれない状態が続く
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 糖度が上がりにくい条件(AGRIX:収穫前は水を絞ることで糖度・日持ちが向上する。過潅水は糖度低下の一因)。
- 見に行く所
- 糖度(Brixがあれば)の推移、果実の締まり、圃場の水はけ。
- 露地と施設
- 施設・マルチ栽培はかん水を止めて水分を絞りやすい。露地・無マルチは降雨に左右され、意図的に水を絞ることが難しい。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(過潅水・日照不足は糖度低下要因の一つとして記載)。糖度は着果過多・品種にも左右され、気象単独では決まらない。
日照不足・低温が収穫前まで続く
低温日照不足
- 起きやすいこと
- 糖度低下・肥大の伸び悩みにつながりやすい条件(AGRIX:糖度低下要因として日照不足・低温を明記)。
- 見に行く所
- 葉色・草勢の維持状況、果実の締まり、収穫適期(巻きひげの枯れ・打音・接地部の色)の見極め。
- 露地と施設
- 施設は保温・補光で緩和余地がある。露地は天候依存で収穫適期の見極めがより重要になる。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。収穫適期の最終判断は交配後日数(積算温度依存)と現地の状態確認を合わせる必要があり、気象データのみでは確定しない。
天気が重なると起きやすいこと
多湿・降雨が続く条件
疫病(多湿で発生しやすいとAGRIXに記載)や、べと病・炭疽病など多湿・葉の濡れで発生しやすいことが知られる病害(一般的知見)が出やすい条件が重なりやすい。下葉・葉裏の状態を現地で確認。
乾燥・温暖が続く条件
うどんこ病が出やすい条件(AGRIX:乾燥・温暖で発生しやすい)。あわせてアブラムシ・ハダニ等は高温乾燥で増えやすいことが一般的に知られており、葉裏・新葉の観察を推奨。
急乾湿(乾燥→多雨、または多雨→乾燥)+肥大後期
裂果・空洞果のリスクが同時に高まりやすい。排水状態とかん水量の見直しの要否を現地で確認。
開花期の低温・強風・降雨の重なり
訪花昆虫の活動低下と低温による受粉不良が重なりやすく、着果数の確保が難しくなる条件。人工受粉への切り替えの要否を早めに検討する材料になる。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、病害・生理障害の発生を確定しない。つる割病(FON)対策は接ぎ木・輪作が中心で、気象データからは直接判断できない。施設では内部環境が支配的で外気象は参考値。数値・適温幅は品種・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
スイカの病害虫が出やすい条件
天気の数字は「この範囲で出やすい」という目安です。条件がそろったら、下の「見る所」を畑で確かめてください。
疫病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・着果期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 葉やつるに水浸状の病斑が出やすい。多湿や停滞水の後は株元と下葉を確認する
- 見る所
- 水浸状病斑・株元の腐敗・停滞水・排水
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
べと病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・着果期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 葉に角ばった黄斑が出て葉裏にかびが出やすい。連続降雨後は下葉を確認する
- 見る所
- 葉裏のかび・黄斑・朝露・下葉
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
炭疽病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 葉や果実につぶれた褐色から黒褐色の斑点が出やすい。雨後の傷や泥はねを確認する
- 見る所
- 葉の黒褐色斑・果実斑点・雨はね・傷
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
うどんこ病 病気
- 出やすい条件
- 気温 18〜25℃/乾燥すると増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・着果期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉表に白い粉状病斑が出やすい。乾燥温暖で風通しが悪い時は古葉を見る
- 見る所
- 白い粉状斑・古葉・株の混み具合・乾燥
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
つる割病 病気
- 出やすい条件
- 雨との関係は薄い
- 時期の目安
- 5〜8月
- 生育の段階
- 生育期・着果期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- つるや株が片側からしおれやすい。気象だけでなく接ぎ木有無と連作履歴を確認する
- 見る所
- 片側萎凋・株元の褐変・接ぎ木有無・連作履歴
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
アブラムシ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜9月
- 生育の段階
- 生育期・着果期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 新葉や葉裏に群生し葉が縮れやすい。高温乾燥時はウイルス様症状も見る
- 見る所
- 新葉の虫体・葉の縮れ・すす状汚れ・モザイク症状
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
ハダニ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・着果期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏で増え葉が白くかすれやすい。乾燥期は発生点を早く確認する
- 見る所
- 葉裏の虫体・葉のかすれ・糸・乾燥
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
自分の畑のスイカを、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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天気から探す
このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。