ナスの天気対策と畑で見る所
果菜類・生育期 4段階・天気の条件 13件・病害虫 7件
ナスが天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(土壌水分・酸素・EC)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。施設栽培では外気象は参考値で、内部環境(換気・加温・かん水)が支配的。
定植・活着期
気温(特に夜温)が低い日が続く(目安12℃以下)
- 起きやすいこと
- 生育停滞が出やすい条件(AGRIX:12℃以下で生育停滞)。定植直後は活着遅れ・根張り不良になりやすい。
- 見に行く所
- 新葉の展開が止まっていないか、葉色のくすみ・紫化、地際の発根・活着状況。
- 露地と施設
- 露地は低温・霜を直接受ける。トンネル・べたがけの有無で差が出る。施設は加温の有無を確認。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(生育停滞の温度目安)。品種・台木の耐寒性で差がある。
日最高気温が高く(目安35℃前後以上)、土壌が乾く一方で活着前の根が水分吸収に追いつかない
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 高温障害が出やすい条件(AGRIX:35℃以上で高温障害)。若い根では水ストレスによりしおれ・活着不良になりやすい。
- 見に行く所
- 日中のしおれが夕方までに回復するか、株元土壌の乾き具合。
- 露地と施設
- 露地は直射・風の影響を直接受ける。施設は換気過多による乾燥に注意。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(高温障害の温度目安)+一般的知見(活着期の水分ストレス)。根量・かん水管理に依存。
開花期
低温(目安12℃以下)と日照不足が重なって続く
低温日照不足
- 起きやすいこと
- ボケナス(AGRIX:低温・日照不足・成り疲れが要因)や石ナス(AGRIX:低温による受粉不良)が出やすい条件。花粉発芽の最適温度帯(AGRIX:25〜30℃)を下回ると受粉に不利な条件になりやすい。
- 見に行く所
- 開花後の着果率、果形のいびつさ・種子の未熟、花の花柱の長短(長花柱=栄養良好、短花柱=栄養不足という草勢の目安もあわせて確認)。
- 露地と施設
- 施設は保温・補光で緩和余地が大きい。露地は天候依存で、べたがけ等の有無を確認。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。受粉不良は品種・訪花昆虫の有無・人工授粉の実施でも変わり、気象は誘発条件のひとつに留まる。
日最高気温が高い日が続く(目安35℃前後以上)
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 高温障害(AGRIX:35℃以上)により花粉の受精能力が落ち、落花傾向が出やすい条件。
- 見に行く所
- 開花した花の落花有無、花の色あせ・傷み。
- 露地と施設
- 施設は遮熱・換気で緩和余地あり。露地は外気温に直接左右される。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(高温障害の温度目安)。品種の耐暑性で差がある。
乾燥・高VPDが続く(目安1.5kPa以上)
乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 気孔閉鎖・光合成低下が出やすい条件(AGRIX:VPD1.5以上で気孔閉鎖)。草勢が低下し、着花・着果に不利な条件になりやすい。
- 見に行く所
- 日中の葉のしおれ・巻き込み、花の大きさ・充実度。
- 露地と施設
- 施設はかん水・循環扇・遮光でVPD管理(AGRIX目安:0.6〜1.2kPa)がしやすい。露地は天候依存で、敷きわら等による地表の乾燥緩和を確認。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(推奨VPD範囲)。品種・作型差あり。
着果・肥大期
土壌が乾燥した状態が続いたあと、まとまった降雨や急なかん水が入る
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 裂果が出やすい条件(AGRIX:急潅水が裂果を誘発)。
- 見に行く所
- 果実表面の裂け、株元の乾湿ムラ。
- 露地と施設
- 露地は降雨で土壌水分が急変しやすく、マルチ・排水で緩和。施設はかん水は少量多回数・日射比例が基本(AGRIX)で、急な変更に注意。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。
降雨・かん水が乏しく土壌の乾燥状態が続く
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- ボケナス(果肉の褐変・スポンジ化)や果皮光沢の低下が出やすい条件(AGRIX:過乾燥でボケナス発生・果皮光沢低下)。
- 見に行く所
- 果実の切断面の褐変・スポンジ状の有無、果皮のツヤ。
- 露地と施設
- 露地は降雨依存で乾燥が続きやすい。施設はかん水頻度(少量多回数)の見直しで調整余地が大きい。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。
曇天・多湿等で蒸散が上がらず飽差が低い状態が続く(目安VPD0.4kPa未満)
乾燥・少雨高湿度・結露日照不足
- 起きやすいこと
- 蒸散不足によりカルシウムの転流が低下しやすい条件(AGRIX:VPD0.4未満で蒸散不足・Ca転流低下)。
- 見に行く所
- 果実先端部・生育点周辺の状態、株の巻き込み。
- 露地と施設
- 施設は換気・除湿・循環扇でVPDを底上げしやすい。露地は無風・多湿条件で起こりやすく、風通しの確保を確認。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。品種・作型差あり。
高VPD(目安1.5kPa以上)・強日射・高温が重なって続く
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 気孔閉鎖・光合成低下(AGRIX)により肥大が鈍りやすい条件。
- 見に行く所
- 日中の葉の萎れ、果実肥大速度の鈍化。
- 露地と施設
- 施設は遮光・循環扇・かん水でVPD管理。露地は敷きわら・かん水で地表の乾燥緩和を確認。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。
日照不足が続く(梅雨・曇天)
大雨・長雨日照不足
- 起きやすいこと
- 光合成低下による着果不良・草勢低下が出やすい条件。ボケナスの一因(日照不足)にもなりやすい(AGRIX)。
- 見に行く所
- 果実の肥大速度、葉色の薄まり、着果数。
- 露地と施設
- 施設は補光・保温で緩和可能。露地は天候依存。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見+一般的知見。
高温・多湿(連続降雨・高湿度)が続く
高温・猛暑大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 青枯病(AGRIX:高温期多発、排水改善必須)、灰色かび(AGRIX:多湿下発生)、すすかび(AGRIX:葉裏ビロード状)が出やすい条件。半身萎凋病(片側黄化)にも注意。
- 見に行く所
- 株の萎凋パターン(片側か全体か)、葉裏のカビ・ビロード状の病斑、圃場の停滞水の有無。
- 露地と施設
- 露地は降雨・排水の影響を直接受ける。施設はかん水過多・多湿管理に注意し、換気で軽減。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。病害・生理障害の発生を確定するものではなく、現地確認・診断が必要。
収穫期
日中高温が続き果実温が上がりやすい
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 果温上昇により日持ち低下・光沢低下につながりやすい(AGRIX:収穫時の果温は20℃以下が理想、光沢の強い段階での早朝収穫が推奨)。
- 見に行く所
- 収穫時の果実の光沢、収穫後の日持ち傾向。
- 露地と施設
- 露地は直射・高温で果温が上がりやすく、早朝収穫の徹底を確認。施設は遮光・換気で緩和余地あり。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(収穫基準)+一般的知見(収穫タイミング)。
低温・日照不足が続く(season後半の低温期など)
低温日照不足
- 起きやすいこと
- 生育停滞(AGRIX:12℃以下)や日照不足によるボケナス・成り疲れ傾向が出やすい条件。収量・品質が落ちやすい時期。
- 見に行く所
- 果実肥大速度の鈍化、葉色、着果数の減少。
- 露地と施設
- 施設は加温・補光で収穫を延ばせる余地がある。露地は気温低下とともに収穫終了に近づく。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見+一般的知見。
天気が重なると起きやすいこと
高温+乾燥+高VPD
ボケナス・果皮光沢低下・気孔閉鎖による光合成低下が同時に出やすい。かん水頻度(少量多回数・日射比例)の見直しの要否を現地で確認。
乾燥後の急な降雨・かん水
裂果と、露地では土壌過湿による根圏障害(青枯病等)が重なりやすい。排水状況と株の萎凋を確認。
高温多湿(梅雨・盛夏)
青枯病・半身萎凋病・灰色かび・すすかびの発生条件が同時に重なりやすく、最も警戒すべき時期。排水・風通し・下葉整理の要否を確認。
低温+日照不足
ボケナス・石ナス・生育停滞が同時に出やすい。保温・補光の要否を確認。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、病害・生理障害の発生を確定しない。施設では内部環境が支配的で外気象は参考値。数値は品種・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
ナスの病害虫が出やすい条件
天気の数字は「この範囲で出やすい」という目安です。条件がそろったら、下の「見る所」を畑で確かめてください。
青枯病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地
- 最初に出るサイン
- 高温期の降雨後に株が急にしおれやすい。水がたまる場所や連作畑の株元を見る
- 見る所
- 急な萎凋・株元の湿り・排水・連作履歴
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
半身萎凋病 病気
- 出やすい条件
- 雨との関係は薄い
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 株の片側や葉の片側から黄化ししおれやすい。気象だけで判断せず株の偏った萎れを見る
- 見る所
- 片側黄化・片側萎凋・導管褐変・連作履歴
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
灰色かび病 病気
- 出やすい条件
- 気温 15〜25℃/湿度 90%以上/葉が濡れている時間 5時間以上/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 4〜6月・9〜11月
- 生育の段階
- 開花期・収穫期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 花弁や果実の傷口から灰色のかびが出やすい。落花弁が残った果実を確認する
- 見る所
- 花弁の褐変・果実の腐敗・朝の結露・換気
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
すすかび病 病気
- 出やすい条件
- 湿度 85%以上/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏にすす状またはビロード状の病斑が出やすい。多湿の施設では下葉から確認する
- 見る所
- 葉裏のすす状病斑・下葉・結露・風通し
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
うどんこ病 病気
- 出やすい条件
- 気温 18〜25℃/乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉に白い粉状の病斑が出やすい。乾燥や通風不良が続く時は古葉を見る
- 見る所
- 白い粉状斑・古葉・草勢・乾燥
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
アザミウマ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 5〜10月
- 生育の段階
- 開花期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 花内や新葉に小さな虫が入り果実表面に傷が出やすい。開花中の花を重点確認する
- 見る所
- 花内の虫体・果実のサメ肌状傷・新葉の変形・侵入口
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
ハダニ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 6〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏で増え葉表が白くかすれやすい。高温乾燥時は発生点を早く見る
- 見る所
- 葉裏の虫体・葉のかすれ・糸・下葉
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
自分の畑のナスを、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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天気から探す
このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。