キャベツの天気対策と畑で見る所
葉茎菜類・生育期 4段階・天気の条件 10件・病害虫 7件
キャベツが天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(pH・EC・土壌水分張力)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。施設栽培(トンネル育苗・べたがけ等)では外気象は参考値で、内部環境(換気・かん水)が支配的。
定植・活着期
日最高気温が高く(目安30℃以上)乾燥(連続無降雨・強い日射)が続く
高温・猛暑大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 活着遅れ・苗の水ストレス。乾燥が強く長引くと根が伸びにくくなる条件(AGRIX:土壌水分張力の目安SMP43kPa以上が5日続く乾燥で減収6割相当という知見あり。ただし土壌水分張力は気象からは直接わからず現地確認が必要)。
- 見に行く所
- 日中のしおれが夕方までに回復するか、株元の土壌の乾き具合、新葉の展開状況。
- 露地と施設
- 露地は乾燥・強日射を直接受ける。トンネル・べたがけ育苗は換気・かん水で調整余地がある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(乾燥閾値)+一般的知見。乾燥の実際の程度は土壌条件によるため気象は目安に留まる。
定植後に強い降雨が続き圃場に水が停滞する
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 根の酸素不足による活着不良。停滞水が続き土壌が酸性側(pH6.0未満)に傾いている場合は根こぶ病が出やすい条件(AGRIX:根こぶ病=pH<6.0+土壌飽和)。
- 見に行く所
- 圃場の停滞水・排水状況、株の生育停滞、根の状態(現地掘り取り確認)。
- 露地と施設
- 露地は降雨・排水の影響を直接受ける。施設は屋根で遮られるがかん水過多で同様のリスク。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。pHは気象からは分からず土壌診断での確認が必要。気象は停滞水の起きやすさを示すに留まる。
生育期(結球前期)
日最高気温が高い(目安25℃以上、特に30℃以上)状態で相対湿度80%以上が続く
高温・猛暑高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 黒腐病(葉脈に沿ってV字型に病斑が広がる)が出やすい条件(AGRIX:温度25℃超+湿度80%超)。
- 見に行く所
- 葉脈に沿ったV字型の黄変・黒変、外葉の縁からの褐変。
- 露地と施設
- 施設は換気・除湿で湿度を管理しやすい。露地は連続降雨・多湿な梅雨期に注意。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見に基づく。発生を確定するものではなく、気象は「出やすい条件」を示すに留まる。
高温(目安30℃前後)が続いた状態で降雨や停滞水により多湿になる
高温・猛暑大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 軟腐病(株元・葉基部が水浸状に腐敗し悪臭を伴う)が出やすい条件(AGRIX:温度30℃前後で発生しやすい)。
- 見に行く所
- 株元・結球基部の異臭・軟化、圃場の停滞水。
- 露地と施設
- 露地は排水不良の圃場で特にリスクが高まる。施設はかん水過多・換気不足に注意。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。品種・排水条件で差がある。気象は誘発条件を示すに留まる。
高温が続いた直後に強い降雨で圃場が冠水・停滞水になる
高温・猛暑大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 高温と多湿・停滞水が重なると生育への影響が大きくなりやすい条件(AGRIX:高温+停滞水の重なりで収量2〜4割減の恐れという知見)。
- 見に行く所
- 株全体の生育停滞・しおれ、圃場の排水状況。
- 露地と施設
- 露地は排水対策(明渠・畝立て)の有無で差が出る。施設はかん水管理で回避しやすい。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(複合ストレスの目安)。一般的な目安であり品種・地域・作型で要補正。実際の発生は現地確認が必要。
結球期
晴天が続き夜間の相対湿度が低い(目安70%未満)夜が続く
高湿度・結露
- 起きやすいこと
- チップバーン(結球内部の葉縁が褐変・枯死する生理障害)が出やすい条件。内部の葉はもともと蒸散が少なくカルシウムが届きにくく、夜間の根圧による転流に依存しているため(AGRIX:夜間湿度70%未満・高EC・高NH4・根傷みが重なるとリスクが上がる)。欠乏症ではなくカルシウムの転流不足が原因とされる知見。
- 見に行く所
- 結球内部(外観からは分かりにくいため抜き取っての確認が有効)の葉縁の褐変・枯れ込み。
- 露地と施設
- 露地は乾燥した晴天が続く時期(初夏・秋の乾燥期)に注意。施設は夜間の換気・湿度管理で調整余地がある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。夜間湿度は気象要因だが、実際の発症は根の状態・施肥(EC・NH4比率)にも左右されるため気象単独では確定できず、現地確認が必要。
結球が進んだ状態で高温・多湿(連続降雨や停滞水を伴う)が続く
高温・猛暑大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 結球内部が密で蒸れやすく、軟腐病・黒腐病が出やすい条件(AGRIX:軟腐病=温度30℃前後、黒腐病=温度25℃超+湿度80%超)。
- 見に行く所
- 結球の異臭・変色、外葉の褐変、圃場の停滞水。
- 露地と施設
- 露地は降雨・排水の影響を受けやすい。施設は換気・除湿で軽減余地がある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。気象は出やすい条件を示すに留まり、発生確定には現地確認が必要。
高温・乾燥が続いた後に急な降雨や過剰かん水で土壌水分が急変する
高温・猛暑大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 裂球(結球が急激に水を吸って割れる)が出やすい条件。
- 見に行く所
- 結球表面の裂け目、収穫適期を過ぎていないか。
- 露地と施設
- 露地は降雨の影響を直接受ける。施設はかん水管理で回避しやすい。
- 確かさ
- 一般的知見。品種(裂球しにくい品種)・収穫適期の見極めで差が出る。数値的な閾値はデータになく定性的な傾向に留める。
収穫期
収穫前に高温・多湿(降雨後の蒸れ等)が続く
高温・猛暑大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 軟腐病・黒腐病による腐敗・品質低下が出やすい条件。収穫後の日持ちにも影響しやすい。
- 見に行く所
- 結球基部・外葉の腐敗臭や変色、収穫物の傷み具合。
- 露地と施設
- 露地は収穫適期を逃さない管理が要。施設は換気・除湿で軽減できる。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(病害発生温度・湿度の目安)に基づく。発生を確定するものではない。
乾燥した高温状態が続いた後も乾湿変動が大きい状態が続く
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 根圏ECが高止まりしていると乾燥との組み合わせで生育・品質への影響が大きくなりやすい条件(AGRIX:乾燥+高ECの重なりで収量4〜6割減の恐れという知見)。
- 見に行く所
- 株の生育・結球の締まり具合。根圏ECは現地測定で確認。
- 露地と施設
- 露地は降雨依存でEC・水分の管理が難しい。施設はかん水・施肥管理で調整余地がある。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(複合ストレスの目安)。EC自体は気象からは分からず現地測定が前提。一般的な目安であり品種・地域・作型で要補正。
天気が重なると起きやすいこと
高温+停滞水(冠水)
生育期に高温と圃場の停滞水が重なると収量に大きく影響しやすい条件(AGRIX:2〜4割減の恐れ)。排水対策の有無を現地で確認。
乾燥+根圏EC高止まり
乾燥が続いた状態で根圏ECが高いと、さらに大きな収量影響につながりやすい条件(AGRIX:4〜6割減の恐れ)。根圏ECは気象からは分からず現地測定が前提。
高温+高湿度の継続
黒腐病・軟腐病といった病害が出やすい条件が重なりやすい。梅雨期・夏季の多湿期に特に警戒。
結球期の夜間乾燥(低湿度)の継続
チップバーンのリスクが上がりやすい条件。ただし根の状態・施肥内容にも左右されるため気象単独では判断できない。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、病害・生理障害の発生を確定しない。根圏(pH・EC・土壌水分張力)は気象からは推定に留まり、現地確認・土壌診断が必要。施設栽培では内部環境が支配的で外気象は参考値。数値は品種・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
キャベツの病害虫が出やすい条件
天気の数字は「この範囲で出やすい」という目安です。条件がそろったら、下の「見る所」を畑で確かめてください。
黒腐病 病気
- 出やすい条件
- 気温 25℃以上/湿度 80%以上/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜10月
- 生育の段階
- 生育期・結球期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉縁から葉脈に沿ってV字型の黄褐色病斑が出やすい。降雨後は傷や葉縁を見る
- 見る所
- 葉縁のV字病斑・葉脈の黒変・雨はね・傷
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 高い
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
軟腐病 病気
- 出やすい条件
- 気温 28〜32℃/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜10月
- 生育の段階
- 結球期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 株元や葉基部が水浸状に軟化し異臭が出やすい。高温多湿時は結球部を確認する
- 見る所
- 株元の軟化・異臭・傷口・停滞水
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
根こぶ病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 4〜6月・9〜11月
- 生育の段階
- 苗期・生育期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 生育が遅れ日中にしおれやすい。抜き取りで根のこぶ状肥大を確認する
- 見る所
- 日中の萎れ・根のこぶ・排水不良・酸性土壌履歴
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
べと病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 3〜5月・10〜11月
- 生育の段階
- 苗期・生育期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉に黄斑が出て葉裏に霜状のかびが出やすい。冷涼多湿時に確認する
- 見る所
- 葉裏のかび・黄斑・朝露・苗床の湿り
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
菌核病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 4〜6月・10〜11月
- 生育の段階
- 結球期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 株元に白い菌糸や黒い菌核が出やすい。葉が込み合う株元を確認する
- 見る所
- 白色菌糸・黒色菌核・株元の湿り・過繁茂
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
コナガ 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 4〜11月
- 生育の段階
- 生育期・結球期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏に小さな幼虫や食害孔が出やすい。乾燥温暖時は芯葉周辺も見る
- 見る所
- 葉裏の幼虫・食害孔・芯葉・防虫ネット
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
アオムシ 害虫
- 出やすい条件
- 雨との関係は薄い
- 時期の目安
- 4〜10月
- 生育の段階
- 生育期・結球期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉に大きめの食害孔や緑色幼虫が出やすい。外葉から結球部周辺を確認する
- 見る所
- 食害孔・葉裏の幼虫・卵・外葉
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
自分の畑のキャベツを、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。