セロリの天気対策と畑で見る所
葉茎菜類・生育期 4段階・天気の条件 10件
セロリが天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(土壌水分・EC・地温)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。施設栽培では外気象は参考値で、内部環境(換気・かん水)が支配的。セロリは高需水・高需肥で乾燥に極めて弱く、Ca・ホウ素欠乏(芯腐れ・茎割れ)と乾燥ストレスの回避が判断の核心。
育苗期
育苗期間中に気温の低い日が一定期間続く(早春の低温)
低温
- 起きやすいこと
- セロリは低温感応で花芽分化し、定植後の抽台(とう立ち)につながりやすい条件。特に春どり作型で注意が必要。
- 見に行く所
- 苗の茎の伸び・節間、生育の遅れの有無。定植後は花茎の兆候(芯部の伸長)が出ていないか。
- 露地と施設
- 育苗は施設(育苗ハウス・トンネル)で行うことが多く、加温の有無・保温資材の使用で低温感応の程度が変わる。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見(低温感応→抽台)。感応する具体的な温度・期間はデータに数値記載がなく、品種・苗齢で差が大きいため気象からは傾向把握に留まる。
高温・乾燥が続く
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- セロリの種子は好光性微細種子で発芽・育苗期間が長い(定植まで90〜120日目安)ため、高温乾燥期は苗の徒長や生育停滞、乾燥ストレスによる活着力低下を招きやすい。
- 見に行く所
- 苗床・セルトレイの乾き具合、苗のしおれ、徒長(間延び)の有無。
- 露地と施設
- 施設育苗はかん水・遮光で管理しやすい。露地育苗(畑床)は高温乾燥の影響を直接受ける。
- 確かさ
- 一般的知見+AGRIX AI の知見。育苗方式(セル苗・プライミング種子等)で差がある。
定植・活着期
定植後に高温・乾燥(連続無降雨)が続く、または強風が重なる
高温・猛暑大雨・長雨乾燥・少雨強風・台風
- 起きやすいこと
- セロリは乾燥に極めて弱く、活着前の根が浅い時期に水分不足になると活着遅れ・生育停滞を招きやすい条件。
- 見に行く所
- 定植苗のしおれが夕方までに回復するか、株元の土壌の乾き具合、新葉展開の有無。
- 露地と施設
- 露地は高温・強風の影響を直接受け、降雨がなければ乾燥が進みやすい。施設はかん水を安定化しやすいが、換気過多による乾燥にも注意。
- 確かさ
- 一般的知見。セロリの「乾燥に極めて弱い」性質はデータにある。活着速度は苗質・根量にも依存。
生育期(茎葉伸長・肥大期)
乾燥(連続無降雨・高VPD)が続く
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 生育停滞、スジ硬化、裂茎、芯腐れ(Blackheart)が出やすい条件。乾燥はカルシウムの体内輸送を妨げ、芯腐れの主要な誘因となる(AGRIX:芯腐れ=Ca輸送不全〈乾燥・急生育・EC過多〉)。
- 見に行く所
- 新葉展開の停滞、茎の硬さ・スジっぽさ、株の芯(生長点付近)の黒変、株元土壌の乾き具合。
- 露地と施設
- 露地は降雨依存が大きく、点滴かん水など安定した潅水手段の有無が分かれ目。施設はかん水管理で緩和しやすいが、換気による乾燥にも注意。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。芯腐れ・裂茎は気象だけでなく根圏EC・Ca/ホウ素の充足状況にも左右され、気象は誘発条件を示すに留まる。
降雨と乾燥が急激に入れ替わる(連続降雨のあとの急乾燥、または潅水と降雨で水分状態が急変する)
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 急激な乾湿変動とそれに伴う急生育は、ホウ素欠乏型の茎割れ(裂茎)とCa輸送不全型の芯腐れを同時に招きやすい条件。
- 見に行く所
- 茎表面の縦方向の割れ、芯部の黒変、生育スピード(葉の展開間隔)の急変。
- 露地と施設
- 露地は降雨変動の影響を直接受け、排水の良し悪しで差が出る。施設はかん水量の急な変更を避けられるか確認。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。品種・作型(春どり/夏秋どり/冬どり)で感受性の差がある。
適温(目安15〜20℃)を超える高温が続く
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- セロリは高温に弱く、生育適温を超える状態が続くと蒸散が増え、乾燥と重なった場合に芯腐れ・スジ硬化のリスクが高まりやすい。
- 見に行く所
- 葉色・草勢、茎の硬化、日中のしおれの有無。
- 露地と施設
- 施設は換気・遮光で緩和余地が大きい。露地は外気温に直接左右される。
- 確かさ
- 生育適温15〜20℃はデータにある。高温耐性は品種で差がある。
多湿(高湿度)・連続降雨が続く
大雨・長雨高湿度・結露
- 起きやすいこと
- 斑点病(Septoria)・軟腐病・うどんこ病等が出やすい条件(データ:多湿・連作で発生)。
- 見に行く所
- 葉の斑点・褐変、株元の軟化や異臭、葉表面の白い粉状のカビ。連作歴もあわせて確認。
- 露地と施設
- 施設は換気・除湿で軽減余地がある。露地は連続降雨で滞水・多湿になりやすく、排水状況の確認が要る。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。発生を確定するものではなく、連作歴・品種による感受性差がある。
収穫期
収穫期前後に乾燥(連続無降雨)が続く
大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- 筋張り(スジ硬化)が出やすい条件(データ:筋張り=乾燥・老化・高温)。株の食感・品質低下につながりやすい。
- 見に行く所
- 茎の硬さ・筋っぽさ、株の充実度、葉の色つや。
- 露地と施設
- 施設はかん水で緩和しやすい。露地は降水依存で、乾燥が続く時期は収穫適期の見極めが要る。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。老化(収穫遅れ)との複合要因で、気象単独では確定しない。
高温が続く
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 生育の老化が進みやすく、筋張りに加え、先行して低温感応があった株では抽台(とう立ち)が進行しやすい条件。
- 見に行く所
- 芯部の花茎の伸長(抽台の兆候)、茎の硬化。
- 露地と施設
- 施設は換気で温度を抑えやすい。露地は外気温に直接左右される。
- 確かさ
- 一般的知見。抽台は育苗期以降の低温感応履歴との複合で決まり、気象からは傾向把握に留まる。
収穫時期に高温・乾燥が続く
高温・猛暑乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- セロリは収穫後も乾燥に弱く、収穫後の萎れ・品質低下が早まりやすい条件。低温高湿での予冷・保管の必要性が高まる(データ:収穫後は低温高湿予冷、セロリは乾燥に弱い)。
- 見に行く所
- 収穫直後の株のしおれ具合、予冷・保管までの時間と環境。
- 露地と施設
- 収穫後の扱いは露地・施設で共通。施設は保管前の環境(日陰・涼所)を管理しやすい。
- 確かさ
- AGRIX AI の知見。予冷体制の有無など出荷側の管理にも依存する。
天気が重なると起きやすいこと
乾燥+高温+急激な生育
カルシウム輸送不全による芯腐れ(Blackheart)と、ホウ素欠乏型の茎割れが同時に出やすい。水分安定(乾燥回避)とCa・ホウ素の充足状況を最優先で現地確認すること。
連続降雨からの急乾燥、または潅水量の急変
茎割れ・スジ硬化と、多湿由来の斑点病・軟腐病が重なりやすい。排水状況とかん水の安定化を確認。
多湿+高温
斑点病・軟腐病・うどんこ病等の発生条件が重なりやすく、連作歴とあわせて現地確認が必要。
育苗期の低温+その後の高温
低温感応による抽台のリスクが、収穫期の高温で顕在化しやすい。育苗期からの温度履歴を踏まえて判断すること。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、生理障害・病害の発生を確定しない。施設では内部環境が支配的で外気象は参考値。数値は品種・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
自分の畑のセロリを、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
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このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。