レタスの天気対策と畑で見る所
葉茎菜類・生育期 4段階・天気の条件 9件・病害虫 7件
レタスが天気で受けやすい影響を、生育期ごとに「こういう天気が続いたら → 起きやすいこと → 見に行く所」の順で並べています。
気象からは「環境」「水分」「生育フェーズ」の段を主に判断する。根圏(土壌水分・養液EC・pH)は気象からは推定に留まり、現地確認が必要。施設栽培・養液栽培では外気象は参考値で、内部環境(換気・気流・給液EC・かん水)が支配的。
発芽期
気温が高い状態が続く(目安25℃以上の高温継続)
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 高温休眠により発芽不良・発芽揃いの乱れが出やすい条件(データ:発芽適温15〜20℃、25℃以上で高温休眠)。
- 見に行く所
- 播種床の発芽率・発芽揃い、覆土の乾き具合(気象からは推定に留まり、土壌水分は現地確認が必要)。
- 露地と施設
- 露地の夏播きは気温の影響を直接受ける。施設・育苗ハウスは遮光・換気・冷房で緩和余地がある。
- 確かさ
- データにある一般的目安。品種のプライミング処理・コート種子の有無で発芽揃いに差が出る。
定植・活着期
日最低気温が低い状態が続く、または急な冷え込みがある
低温
- 起きやすいこと
- レタスは比較的低温には強いが、活着遅れ・生育停滞につながりやすい条件。
- 見に行く所
- 新葉の展開が止まっていないか、葉色の変化。
- 露地と施設
- 露地は外気温の影響を直接受ける。トンネル・べたがけの有無で差が出る。施設は加温の有無を確認。
- 確かさ
- 一般的知見。品種・作型で耐性差がある。気象からは推定に留まる。
日最高気温が高く土壌が乾く一方で、強風が続く
高温・猛暑乾燥・少雨強風・台風
- 起きやすいこと
- 活着前の苗が水ストレスを受け、しおれ・活着不良になりやすい条件。
- 見に行く所
- 日中のしおれが夕方までに回復するか、株元の土壌の乾き具合(現地確認が必要)。
- 露地と施設
- 露地は風の影響を直接受ける。施設は換気過多による乾燥に注意。
- 確かさ
- 一般的知見。根量・かん水管理に依存し、気象のみでは確定しない。
結球・生育期(チップバーン注意期)
気温が高い状態が続く(目安25℃以上)
- 起きやすいこと
- 結球不良・抽台(トウ立ち)が進みやすい条件(データ:結球適温15〜20℃、25℃以上で結球不良・抽台促進)。
- 見に行く所
- 結球の締まり具合、生長点の伸長(抽台の兆候)、葉色・葉の巻き。
- 露地と施設
- 施設は換気・遮光・細霧冷房などで緩和余地が大きい。露地は天候依存で、高温期の作型は特に注意。
- 確かさ
- データにある一般的目安。晩抽性品種の有無で差が大きい。
強い日射・高温が続き生育が急激に進みやすい状態に、夜間の相対湿度が低い状態が重なる
高温・猛暑高湿度・結露
- 起きやすいこと
- チップバーン(内葉のふちが褐変する生理障害)が出やすい条件。データでは、急生育によりカルシウム(Ca)が内葉まで届かない「輸送不全」が本質で、高EC・N過多・夜間低湿・気流不足・高日射(高DLI)・根圧不足が誘発要因とされる。気象だけでなく施肥・気流管理も絡むため、気象は誘発条件のひとつに留まる。
- 見に行く所
- 内葉の縁の褐変・壊死、結球内部の葉の状態、送風・気流の有無、施肥量・EC(現地測定が必要)。
- 露地と施設
- 施設・養液栽培は送風(垂直・水平ファン)で内葉への気流をつくりやすく管理余地が大きい(データ:送風が最も確立した対策)。露地は自然風に依存し、無風・多湿になりやすい朝夕は特に注意。
- 確かさ
- AGRIX(データ)既存知見。チップバーンはCa輸送不全が本質でEC・N・気流など複合要因のため、気象条件のみで発生を確定しない。
降雨が続く、または曇天・日照不足が続き高湿度が続く
大雨・長雨高湿度・結露日照不足
- 起きやすいこと
- べと病(Bremia lactucae)・菌核病・灰色かび病・軟腐病が出やすい条件。
- 見に行く所
- 葉裏の霜状のカビ(べと病の疑い)、地際部の軟化・異臭(軟腐病の疑い)、株元の白色菌糸や黒色の菌核(菌核病の疑い)。
- 露地と施設
- 施設は換気・除湿で軽減余地がある。露地は排水・畝立て・下葉整理で軽減。
- 確かさ
- データにある一般的知見。多湿・多雨で出やすい病害だが、発生の確定には現地確認・診断が必要。
高温が続き、降雨が少なく乾燥気味の状態が続く
高温・猛暑大雨・長雨乾燥・少雨
- 起きやすいこと
- アブラムシなど吸汁性害虫が活動しやすい条件(高温乾燥期に活動が活発になりやすい一般的傾向)。ウイルス(レタスモザイク等)媒介にも注意。
- 見に行く所
- 葉裏のアブラムシの寄生、モザイク症状(葉の退緑・縮み)の有無。
- 露地と施設
- 施設は防虫ネット等で管理余地がある。露地は気象条件だけで発生時期を予測しにくく、見回りが必要。
- 確かさ
- 一般的知見。気象は活動が活発化しやすい条件を示すに留まり、発生を確定しない。
収穫期
収穫前・収穫時に高温が続く
高温・猛暑
- 起きやすいこと
- 呼吸速度が高い状態での収穫となり、予冷が遅れると品質・鮮度の低下が早まりやすい条件(データ:呼吸が速い葉菜は収穫後即予冷が要)。
- 見に行く所
- 収穫直後の株の温度感・しおれ、収穫から出荷までの時間。
- 露地と施設
- 露地は炎天下の収穫で株温が上がりやすく、早朝収穫や日陰保管が要点。施設は遮光で緩和余地がある。
- 確かさ
- データにある一般的知見に基づく。予冷条件(温度・方式)自体は気象データの対象外。
降雨中・降雨直後の収穫
大雨・長雨
- 起きやすいこと
- 水分が付着した状態での収穫・調製となり、腐敗や軟腐病の進行が早まり、日持ちが短くなりやすい条件。
- 見に行く所
- 収穫物の水分付着、傷み・変色の進行速度。
- 露地と施設
- 露地は降雨の影響を直接受ける。施設は降雨の影響は小さいが、かん水直後の収穫は同様の注意が必要。
- 確かさ
- 一般的知見。気象からは傾向を示すに留まる。
天気が重なると起きやすいこと
高温+強日射(高DLI)+夜間低湿度・気流不足
結球不良・抽台と、チップバーン(内葉褐変)が同時に出やすい最も警戒すべき組み合わせ。送風・遮光・かん水管理の要否を現地で確認。
連続降雨・曇天による高湿度の継続
べと病・菌核病・灰色かび・軟腐病が重なって出やすい。排水・換気・下葉整理の要否を確認。
高温・乾燥の持続
抽台・生育不良の進行に加え、アブラムシなど吸汁性害虫の活動増加が重なりやすい。見回り頻度の要否を確認。
このデータは気象条件から「出やすい状態」を示すもので、生理障害・病害虫の発生を確定しない。チップバーンはCa輸送不全が本質で、施肥(EC・N)・気流・生育速度など気象以外の要因が複合するため、気象のみで判断しない。施設・養液栽培では内部環境(温度・気流・給液EC)が支配的で外気象は参考値。数値は品種(リーフ/ロメイン/結球型)・地域・作型で補正が必要。防除に触れる場合も、農薬は登録内容を確認のうえ判断すること。
レタスの病害虫が出やすい条件
天気の数字は「この範囲で出やすい」という目安です。条件がそろったら、下の「見る所」を畑で確かめてください。
べと病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 3〜5月・10〜11月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏に霜状のかびが出やすく葉に黄斑が出る。曇雨天後は下葉を見る
- 見る所
- 葉裏のかび・黄斑・朝露・株間の湿り
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
菌核病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 3〜5月・10〜11月
- 生育の段階
- 結球期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 株元に白い菌糸や黒い菌核が出やすい。地際部と外葉の腐敗を確認する
- 見る所
- 白色菌糸・黒色菌核・地際部・外葉腐敗
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
灰色かび病 病気
- 出やすい条件
- 気温 15〜25℃/湿度 90%以上/葉が濡れている時間 5時間以上/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 3〜5月・10〜11月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 施設
- 最初に出るサイン
- 外葉や傷口から灰色のかびが出やすい。高湿度時は株元と外葉を確認する
- 見る所
- 外葉の腐敗・灰色かび・傷口・結露
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
軟腐病 病気
- 出やすい条件
- 気温 28〜32℃/雨が続くと増える
- 時期の目安
- 6〜9月
- 生育の段階
- 結球期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉柄や株元が水浸状に軟化し異臭が出やすい。高温多湿時は傷口を見る
- 見る所
- 株元の軟化・異臭・傷口・停滞水
- 被害の重さ
- 重い
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 病害虫・雑草の情報基地
斑点細菌病 病気
- 出やすい条件
- 雨が続くと増える
- 時期の目安
- 5〜6月・9〜10月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉に小さな水浸状斑点が出やすい。雨や結露が続いた後に確認する
- 見る所
- 水浸状斑点・葉縁の病斑・結露・雨はね
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 低い
- 参考
- 各県病害虫防除指針
アブラムシ類 害虫
- 出やすい条件
- 乾燥すると増える
- 時期の目安
- 4〜6月・9〜11月
- 生育の段階
- 生育期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉裏や芯葉に群生し葉の縮れや汚れが出やすい。高温乾燥時は芯部も見る
- 見る所
- 葉裏の虫体・芯葉・すす状汚れ・葉の縮れ
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
- 参考
- 各県病害虫防除指針
チップバーン 生理障害
- 出やすい条件
- 雨との関係は薄い
- 時期の目安
- 5〜9月
- 生育の段階
- 結球期・収穫期
- 作型
- 露地・施設
- 最初に出るサイン
- 葉縁が褐変し内葉に枯れが出やすい。急速な生育や蒸散不良がある時は切って確認する
- 見る所
- 葉縁の褐変・内葉の枯れ・急速な生育・高湿度
- 被害の重さ
- 中くらい
- 確かさ
- 中くらい
自分の畑のレタスを、今日の天気と写真で見てもらうなら
AGRIX AI は、作物の写真から病気・害虫・生理障害を見分け、地域の天気予報と生育の段階を重ねて「今日なにを見に行くか」を出すアプリです。このページの内容は、アプリが判断に使っているデータの一部です。
同じ葉茎菜類の作物
天気から探す
このページについて AGRIX AI に入っている作物の「天気への反応」と「病害虫の出やすい条件」のデータを、そのまま読みやすく並べたものです。数値は一般的な目安で、品種・地域・作型で変わります。病害虫の発生を言い当てるものではなく、「出やすい条件」と「見に行く所」を示しています。
農薬を使うときは、ラベルの登録内容と、お住まいの県の病害虫防除所が出す情報・防除指針に従ってください。
作り方:AGRIX AI のデータ(作物66種の天気への反応・22作物の病害虫の条件)から、プログラムで1作物1ページに並べています。文章や数値は足していません。データを直すと、このページも作り直します。
作成:北島真史(RAIXEN・AGRIX AI 開発)。元専業農家(ブロッコリー4ha・ネギ・ズッキーニほか10年)、農業資材店で土壌診断と肥料・農薬の相談を担当、今は米6ha・ネギの兼業農家。著書『直売所で儲かる心理設計』。